朝起きて、宿の最上階にあるというサロンに行く。
この宿は日本人が良く利用する宿だとガイドブックに書いてあった。
そういうわけで、日本人いるかな?と期待。
扉を開けると外人ばっかり4人ぐらい。
しかも宿泊客というより、顔なじみといった感じの集まり。
あまり予想していなかった雰囲気だったので
驚いてしまって、しばらく沈黙。
外人もこっちを見て、ハテナ?って顔で沈黙。
最初に出てきた言葉は
「ウェ・・・、ウェア・・、イズ、オフィス?」
昨日の受付してくれたおっさん(オーナー)を
探していると伝えたかったのだけど・・。
困っている僕を見て、一緒にオーナーを探してくれた。
オーナーはいなかったので、
一緒に朝ごはんを食べながら少し話す。
イギリス人夫婦?っぽい人の旦那の方と話していると
日本に友達がいて空手のスクールをやっていると言うので、
しめたと思い、自分は空手のブラックベルトだと伝える。
おおそうかい、型はできるかい?と聞かれるので、
いやむしろ自分は組み手のほうが得意だ、
みたいな感じで、日本では滅多にしない空手トーク。
とりあえず日本人は空手をやっているという
イメージを守ることに成功して、サロンを出る。
宿から歩いて、まずはアヤソフィヤ聖堂へ。
アヤソフィアは、ビザンティン帝国時代にはギリシャ正教の総主教座として、
後にイスラム教のモスクとして使用された古い建物。
ビデオの三脚は入口のところで没収されてしまった。
空港のスキャナーのようなものと同じ機械で荷物を調べられる。
しょうがなく手持ちで撮影することに。
内部は思い描いていたイメージとピッタリで
いきなりの当たりロケーションにテンションがあがる。
警備の人に注意されながらも、そこかしこを撮影。
次にスルタンアフメット・ジャミイ(通称ブルーモスク)へ。
まあこんなもんかという感じ。
観光地としては興味深いが、撮影したい絵はない。
ジャミイと呼ばれる建築物はイスラムのお寺みたいなものなので
この後行った他のジャミイも似たようなものだった。
内部空間自体は、どのジャミィもなかなか瞑想的で、やはりお寺みたいな雰囲気。
昼飯はキョフテ(ラム肉のハンバーグみたいなもの?)、
晩飯はシシケバブを食べる。
シシケバブの店は日本人観光客ばかりだった。
「地球の歩き方」はすごい影響力。
その日は満足して寝る。
次の日。
朝早めに起きて出掛ける。すごく寒い。
路面電車に乗ってイェニ・ジャミィとエジプシャン・バザールへ。
まあ普通。
この日はとにかく寒かった。
いったん宿に避難してもう一枚インナーを増やす。合計6枚重ね。
ユニクロの「ヒートテック」というインナーの上下はとても役に立った。
ついでに部屋の内部を数カット撮影。
気を取りなおして地下宮殿とグランドバザールへ歩いて移動。
印象は、予想通り。
ベタな観光ポイントは一応押さえているが
期待以上でも以下でもない。
続いてスュレイマニエ・ジャミイへ向かう。
事前に調べたインターネットで、
良かったという発言が多かったのでここには少し期待。
てくてくと歩いて移動。
ん。
どうも小汚いオッサンに後をつけられる模様。
振り返ってもフフフーンといった感じで知らんぷりをする。
芸人のコントよりも下手くそな知らんぷりだ。
蛇行して歩いて振り払おうとしても
グラディウスのオプション機のように
ピッタリと後をマークされる。
どう考えてもスリなので
振り返って思いっきり睨みつけてガンを飛ばす。
小汚いオッサンは
わかったよ、そう怒るなよ、みたいな顔をして
どこか消えていった。
ふとみると、すでにウェストポーチのチャックは全開。
ウェストポーチにはビデオカメラを入れていて
サイズピッタリの大きさなので
そう簡単には抜き取れないのだが、少し危なかった。
スュレイマニエ・ジャミイは、確かにジャミィの中では
一番良い気がした。
晩めしは煮込み料理。
安くてうまい。
アイランというトルコ定番の塩味のヨーグルトドリンクは
毎食のように飲んだが、このときにはすでにはまっていた。
宿に帰る。
再び最上階のサロンに行くと
日本人の女性が3人いた。
年は29、29、32ぐらい?
あとオーナーと、オーナーの息子と、
よくわからないトルコ人一人。
とりあえず情報交換をする。
29才の二人組と32才の女性も、この宿で偶然出会い、
一緒にカッパドキアに行って、またこの宿に帰って来たそうだ。
32才の女性は旅慣れているというか
放浪癖のある半分ヒッピーみたいな印象。
この後もイランに行くらしい。
一方、29才の二人組のほうは
よくこの二人でトルコに来たなと思うぐらい
英語もほぼしゃべれない。
イスタンブールでは日本語で声をかけて来た
トルコ人の男に付いていって、
相手の家まで行ったが、
やっぱりエロな雰囲気になったので逃げてきたとか、
カッパドキアではツアーを申し込んだが
行くはずだった場所にも行ってもらえず、
日本語ガイドを頼んだのに英語のガイドが来て、
何言ってるかさっぱりだったとか。
散々だ。
しかしそんな目に会っているのに
驚くほど脳天気で明るい。
その夜、僕はその日本人女性のうち一人と恋に落ち、
めくるめく夜を過ごす・・こともなく、普通に寝た。